「いつのまにかうっかり世界平和」 岡田達信さんを迎えたトーク&ライブ 

2023年10月18日

9月末の土曜日、源光寺で21回目となる「トーク&ライブ一期一会」が開催されました。ご講師は、千葉県からおいでくださった絵本セラピスト協会代表・岡田達信さんです。ギャラリーには、地元の藍染め作家・奈つさんをお招きしました。

「絵本のお坊さん」である私は、もう10年以上前に岡田さんのご著書を手にしていました。それから数年後、作曲家・弓削田健介さんの呼びかけで富士山に訪れる機会があり、そのメンバーの中に岡田さんがいらっしゃったのです。それ以来SNSでの交流が続き、昨年に福山で開催された「大人に絵本ひろめ隊」に私が参加したことで、今回のトーク&ライブ一期一会21「絵本テラピー」が実現したのでした。

岡田さんは、「いつのまにかうっかり世界平和」をスローガンに掲げて、各地で絵本の読み聞かせ活動をされています。絵本と世界平和について、どのような関係があるのかピンと来ない方もあると思います。私自身も長い間不思議でした。そのわけは、「大人に絵本ひろめ隊」に参加して見事に解けました。絵本とは、子どもに読んであげるものだという先入観を持っている人が多いと思います。しかし、大人に読み聞かせをした時「大人になって絵本を読んでもらったのは初めて!」と感激する人は多くいます。さらに岡田さんの絵本セラピーでは読んでおしまいではなく、その感想を参加者同士で分かち合うことを大切にされています。その分かち合いで、いろんな気づきが生まれます。その中でも「1冊の絵本でそれぞれの感想が違うこと」が、最も大きな気づきです。日常生活なら、感想や意見が違うと他人から訂正や指導が入ることが多いし、感想や意見の違いから気持ちのずれや争いにまで発展しかねませんね。しかし、絵本に関する感想や意見の違いは、それぞれがニコニコしながら聞いていられるのです。つまり、「お互いの違いを知り、それぞれを自然に尊重し合える」ささやかな積み重ねが「いつのまにかうっかり世界平和」につながっていくというのです。

昨日の投稿では、イスラエルとはマスが関わる戦争について正直な心情を吐露しました。ご指摘いただきましたように、起こってしまった戦争を私一人の力ではどうすることも出来ません。だからといって「何も出来ません」とつぶやく私を、子どもたちはどう見るでしょうか?そして、私たちのご先祖は何もしてこなかったのでしょうか?娑婆世界を生きる人間の業として、不完全でも「何か出来る事はないか」と模索し続けたいのです。

だから私は、日頃の身近ないざこざが大きな争いに拡がらないための、ささやかな工夫を続けていきます。自らの姿と生き様を仏さまの教えに問い続けます。絵本の読み聞かせ活動を通して、お互いの違いを知ります。そして、身近な人同士が1日でも長く心穏やかに過ごせるように試行錯誤を続けます。

以下は、トーク&ライブ21「絵本テラピー」の感想の一部です。
・『猫のビート』の何があっても良いという言葉で涙が出てきました。元気もらえました。ありがとうございました/童心に戻って自分の周りのよっぽどの縁のありがたさを改めて感じられるきっかけとなりました/絵本は子どものものだけではないと感じました/絵本を読んでもらうことがないので、良い機会でした/同じ本を聞いても感想は人それぞれ。それでいいんですね/どの絵本も楽しくて面白かったです。久しぶりに絵本を読みたくなりました/暖かい気持ちになりました。自分を振り返りました/玄さん、念願がかなって良かったですね。昨年の「絵本広め隊」の時から楽しみにしていました。また、福山の絵本セラピストが活動をします。一緒に「広め隊活動」をいたしましょう/絵本を見ていろんなことを考えられる時間は、大人になっても良い時間だなといつも思います/忙しい日々の中でも本を読むような時間を取れたらと改めて思うことでした/絵本の奥深さを感じました。もっと読みたいと思いました/絵本の中で生きる力が出ました/話し上手で時間の経過が早く感じました/絵本には色々あるなあとつくづく感じました。絵本は色々な力を持っているなと感じました/ 絵本が好きですが、今回のような絵本を手に取ったことはなかったです/絵本の感想が大人と子どもで違うこと、経験や体験が物事の感じ方や 見方につながってくることがわかった。楽しい時間でした/子ども心に帰ることができました/ワークシートでの進め方は、一体感が出て良かったです/もっともっとゆっくりとお話がしたかったです/分かりやすくて面白い/おおっぴらに絵本を読めるっていいですね/絵本が身近にあるってうれしいです/このところ忙しくストレスにもなっていましたが、『猫のピート』を皆さんと一緒に声に出して笑ったりしたため、少し元気が出ました。また絵本を読んでみたい/とても穏やかな気持ちになれました/子どものためと思い込んでいましたが、絵本の持つ魅力を改めて感じました/新しいタイプの講演会で楽しかった/心から癒されました/心が楽になりました

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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