「親なきあと」を俱に生きたい! 相談室講演会のご案内

2024年4月5日

心身の様々なハンディーや生きづらさを抱えていることで地域とのつながりが少なく、孤立しがちな人たちやその親世代が抱える問題は多岐にわたっています。しかも、親世代がいつまでも元気でいられるとは限りません。親世代が元気な間に地域での顔が見えるつながりを拡げたり、今後手助けとなる行政の施策、民間団体のサービスなどについて相談できたりすることは、親子ともども大きな安心につながると思います。

源光寺もこれまで「地域の駆け込み寺」として、様々な悩み事相談をお受けしてきました。「聞いてもらってうれしかった」という声が少なからずある一方、「本当にその方の支援になっているのだろうか?」「もっと、具体的な関わりが必要だったのではないだろうか?」などと、私が頭を抱えてしまうケースも多々ありました。様々な学びを重ねる必要性を感じていた時に出会ったのが「福祉仏教入門講座」で、その修了者などによって立ち上げられた「お寺と教会の親なきあと相談室」だったのです。

この「お寺と教会の親なきあと相談室」は、全国ですでに15カ所の寺院支部が活動をしており、支部間での相談事例共有や情報交換はもちろん、地元専門職の方との連携も大切にしています。さらに、財団に在籍する複数のアドバイザーに支部から相談できる体制も整っています。これらのバックアップ体制が整えられていることで、これまで私一人の経験や知識では十分対応できなかった相談事例についても、より具体的に関わりを持つことが出来るのではないかと考えています。

「このような活動は行政がすでに行っていることで、なぜお寺が取り組むのですか?」
今までにこのようなお尋ねがありました。おっしゃるとおり、行政などの各機関も様々な取り組みを展開していますが、必要としている一人ひとりに充分届いていないと見受けられる場面が多々あります。それは、市民からの申請を受けてからすべてが動きはじめるという原則も影響しているようです。つまり、困った状況を抱えている本人が「助けて」と声を上げなければ、せっかくの施策やサービスは有効に届かないということです。さらに、行政そのものも厳しい現状があります。特に県北は少子・高齢・過疎のまっただ中ですから、行政が取り組まなければならない課題は山積しています。でも一方で、職員等の人材不足や財源不足も深刻です。どうしても優先順位を付けて施策を進めることになります。きめ細やかに施策が、すべての分野には届かなくなっているのです。だから、これまでのように行政や専門職、特定の団体にお任せして困りごとが解決できる時代は終わったと思っています。そこで、地域の共通財産として守られてきたお寺、世代を超えて地元の方々と関われる僧侶として、わずかでも地域にご恩返しが出来たらと思っているのです。

■ご紹介:「お寺と教会の親なきあと相談室」ホームページ
https://otera-oyanaki.com/

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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