グリーフケアをテーマにした絵本のお話会に行ってきた

2025年7月11日

先日、おくだかずみさん主催の「絵本パーティー」に参加してきました。今回は、テーマに沿った絵本をそれぞれが持ち寄り、参加者同士でシェアするというユニークな企画です。参加者は13人ほどで、幅広い年代の方がいらっしゃいましたが、男性は私一人でした。
冒頭では、主催者のおくださんが、動物が登場する絵本を3冊紹介してくださいました。国も作者も違うのに、なぜかどれも勤勉な主人公と、ぐうたらな仲間の対比という、共通のテーマが扱われているのです。それぞれの結末は異なる展開でとても興味深く、思わず突っ込みを売れたくなる絵本で、アイスブレイクにぴったりの時間でした。

その後は、3~4人のグループに分かれて絵本のシェアタイムです。持ち寄った絵本を読み聞かせしたり、内容を紹介したりしながら、それぞれの方法で分かち合いが進みます。私と同じ絵本を持ってきた方には親近感を覚えましたし、自分だけが持ってきた絵本の場合は、「これ、本当にいいですよ!」と、つい熱を込めて紹介してしまいました。お寺には200冊を超える絵本がありますが、どうしても同じ傾向の絵本に偏ってしまいがちです。今回のように、仲間から自身の知らない絵本を紹介してもらえると自分の視野が広がるので、とても楽しいのです。

今回の「絵本パーティー」のテーマは「グリーフケア」でした。僧侶・グリーフケアアドバイザーという立場でご門徒さんや地域の方々に接している一人としては、是非参加したい会だったのです。グリーフとは「大切な人を亡くすこと」に限定されがちですが、「大切なものを失った人」について取り上げた絵本もあり、とても温かな気持ちになりました。その中の1冊は『だれのものでもない岩鼻の灯台』で、光を放つことが出来なくなった灯台が、動物たちのより所としての新たな役割を担うというものでした。定年を視野に入れ始めた世代が読んだら、今後の新しい指針になるだろうと思いました。

最後には、グループで一番心に残った絵本を、全員の前で読み聞かせする時間です。私のグループでは『おかげさま』を勧めてくださったので、持参した私が読み聞かせをしました。「この絵本は初めてです!」という方もおられて、この日の感動と共に読み聞かせを終えることが出来ました。皆さんに見えるように絵本を動かしている様子に気づいてくださる方や、声の心地よさを褒めてくださる方もいて、日頃の小学校での読み聞かせ活動の経験が、このような場面でも生きてくるのだと、とてもうれしかったです。イベントの記念に、参加者全員で持ち寄った絵本を並べて写真を撮りました。この写真を目にするたびに、笑ったり、時には涙を流したり、考え込んだ、この日の出来事が鮮やかに蘇ることでしょう。素晴らしい思い出の一枚となりました。

「絵本パーティー」の後は、希望者による楽しいランチ会です。絵本作家の方もいらっしゃって、出版されたばかりの絵本を紹介してくださいました。早速購入を申し出たところ、目の前でサインまで書いてくださいました。「子どもたちのいじめが一つでもなくなり、優しい心が育っていきますように、そんな願いを込めて描きました」と教えてくださいました。現状を気にかけるだけでなく、私なら何が出来るか。この作家さんのように、一人ひとりの願いと行動が、世の中の小さな、でも確かな光となっていることに、感動と心強さを感じながら三次に帰ってきました。

今回の「絵本パーティー」参加を通して、グリーフケア分野においても絵本の持つ可能性を強く感じました。これからも、このような絵本の活動に参加して、新たな出会いやつながりを生きる糧にしていきたいです。「絵本のお坊さん」によるグリーフケア研修や読み聞かせ活動にも、是非お声かけください。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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