家族・兄弟が多く、何度の仏縁に出会うことが出来ていた昔とは違い、
現代は1回1回の仏縁を(僧侶自身が)より大切に勤めなければいけないと思っている。
70代のおばあちゃまが亡くなられ(=極楽浄土に往生され)、今日は初盆のお参り。
子どもさんだけでなく、九州や関東から孫さん・ひ孫さんも勢揃い。
仏間の縁側から上がらせていただく時、私を待ち構えていたようにひ孫さんが話しかけてくれる。
とても賑やかだ。
ひ孫さんには、お勤めの前に絵本『極楽』の読み語りをする。
小さなひ孫さんたちから直接感想は聞けなかったが、
同じ絵本を子どもさんやかつてお寺の子ども会に通ってくれていたお孫さんたちも聞いてくれていた。
そして、お勤めは8/7のブログでご紹介した「仏説阿弥陀経(現代語訳)」。
お勤めが終わった後、いきなりご法話をせずに「仏説阿弥陀経(現代語訳)」の感想を聞いた。
開口一番に30代のお孫さんが、「この現代語訳に、ふりがながあったらよかったですね」。
そういえば、ご門徒さんに配布するプリントにはふりかなをつけていなかったのだった。
これまでも何件か同じ取り組みをしていたのだが、ふりかなの指摘をしてくださったお宅はなかった。
とても有り難かった。
その他にも、
「舎利弗は、お弟子の中のどのようなポジションですか」
「十劫とは、どのくらいの時間の長さですか」
「極楽とは、素晴らしい世界なんですね」
「このお経の中の神とは、どのような存在ですか」など、
多くの質問や感想が聞かれ、何とかそれに応える形でご法話とさせていただいた。
ふりかえれば、これまで月参りやご法事の際、一緒に拝読したお経についての質問を投げかけられたことは、
ほとんどなかった。
お経の内容について質問しようというところまで、ご門徒さんの興味・関心が高まっていなかったのだろう。
ところが、「仏説阿弥陀経」現代語訳を一緒に拝読するようになって、
ご門徒さんからたくさんの質問が出てくるようになった。
この変化に私自身驚いているし、
それら予想しない質問に自分自身がどのように応えられるだろうかという点においても、大切な学びを頂いている。
考えてみれば、2500年以上にわたる仏教伝来の歴史は、
経典だけではなく、建築・美術・文学・音楽・法要儀式・葬儀法事など、
様々な分野が多様に関わりながら、積み重ねられたものだった。
それは同時に、様々な価値観や特性を持った一人ひとりに寄り添いながら、
(仏教を人生のよりどころにして生きてほしいという願いと共に)
伝え方を工夫してきた先人たちの歴史でもあったのだ。
ちなみに、今回ご門徒の皆さんと拝読している「仏説阿弥陀経」現代語訳は、
浄土真宗本願寺派の長年の研究成果を総動員して編纂されたものである。
これからも、お経やご法話に興味を持ってもらうこと/その中から一つでも心にとめてもらうこと/日常生活でも思い出していただけること
こんなことを願いながら、布教・伝道の工夫を重ねていきたいと思っている。
今日の絵本:
絵本『極楽』 西川 隆範/文 桝田 英伸/監修 風濤社
http://futohsha.co.jp/books/jigoku/gokuraku.html
2018/5/1付けブログに紹介
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