ご門徒(=檀家)さんの相談を受けた時に大切にしていること

2019年9月9日

支援は多業種連携で

「お坊さんは何をする人だと思いますか」という問いに対して、
「悩み事相談をしてくれる人」という声が返ってくるように、
僧侶は日常の仏縁で、実に様々なご相談を受ける。
一番多いのは、親子・夫婦・職場などの人間関係に関すること。
その他にも、子どもや孫の発達・成長、就職、健康、介護、葬儀やお墓・お仏壇などの仏事・・・。
中には、自分の生き方や政治に関する事柄まで多岐にわたる。
 一方で、僧侶という立場を離れて、「虐待ホットライン」や
「男性なんでも電話相談」などで電話相談業務に関わったこともある。
 
 これら長年の経験の中で、一人一人の様々な苦悩にふれ、その背景にある社会問題に心を痛めた。
さらには、電話相談の利点と限界、そして、傾聴に関する利点と限界も感じることが多くなっている。
未だに、模索中である。

 あるご門徒さんのケース。
元気な頃は家族に対するDVを重ねていたご主人が、今はアルツハイマー病を抱えて入院・闘病している。
同居している息子さんは、特別枠で就職をされているが精神的なサポートを必要としておられ、
生活の自立は困難な方である。
相談者であるAさんは、毎回のように、ご主人のかつてのDVに対する怒りから始まり、
嫁姑・親戚間のいざこざを吐露し、一人遺していく息子の将来を案じている。
最近は、自身の加齢と体調不良も加わって、不安や焦り・そして怒りが高まっていた。
(*個人を特定されないように脚色している)
 
 数年越しの傾聴に限界を感じていた私は、もう一つの基本を思い出した。
相談を受ける者が一人で抱えないこと。
そして、(本人や関係する人を継続的に支えるという共通の願いの中で)関係する専門職や立場の者が互いに連携すること。

 そこで、地元の社会福祉協議会へ連絡を取った。
これまでの経緯をお話し連携の依頼を行ったところ、快く受けてくださった。
家庭への訪問・面談を重ねて互いの信頼関係をつくる中で、
様々な支援制度も紹介し息子さんの金銭管理も含めた具体的な関わりをただ今も継続してくださっている。
 
 街でばったり出会ったAさんから「紹介してもらってよかったです」と声をかけられ、
いつもより少し晴れやかなお顔だったかなと感じた今日だった。
皆さんにも、各自治体の社会福祉協議会をぜひ紹介したい。

■ご紹介
(社団)三次市社会福祉協議会 http://www.miyoshi-shakyo.com/

■悩み事相談をお受けします 【思いを語り、心の整理をしませんか】
安心できる場所で自分の思いを語ることで、心が整理されます。
苦悩の原因が明らかになったり、いま自分にできることに気づいたり、
そのままの自分を受け入れられるようになります。
ご相談をご希望の方は、いつでも遠慮なくご連絡ください。
内容によっては、専門家のご紹介もできます。(秘密厳守・無料・面談を基本としています)

■絵本のお坊さん問い合わせ先 
 名前:福間玄猷(ふくまげんゆう)
 住所:広島県三次市西酒屋町甲156 源光寺内
 電話:0824-63-5906
 メール:gfukuma@agate.plala.or.jp
 源光寺ホームページ:http://www.genkouji.com/
 Facebook:https://www.facebook.com/gfukuma
 絵本のお坊さんブログ:http://genkouji.com/blog/
 YouTube動画:NO.1 2019源光寺サマースクールの一コマ
          https://www.youtube.com/watch?v=nGl8akzD2gQ&t=48s

■絵本のお坊さんが出来ること。
絵本の読み語り ご希望の場所に出向き、年齢にあわせた読み語りをします。
仏さまのお話(=ご法話の会) ご依頼の場所へ出向き、仏さまの教えをお話しします。
悩み事相談 人生・子育て・孫育て・人間関係・仏事などのご相談をお受けします。
お寺での楽しい行事をご紹介します。-門信徒会・仏教婦人会・お寺の子ども会などで、
                   新たな出会いと学びが広がります。
お寺でのボランティアをご紹介します。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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