過去の悲しみに、私たちはどれほど学べるのか -千羽鶴を捧げに平和記念公園へ

2019年9月12日

 
 源光寺の仏教婦人会・サマースクール・子ども会で、
昨年一年折りためてくださったものを持参し、
広島市平和記念公園へ参拝した。
既に、小学生が「原爆の子の像」の前で集まり、平和を願う歌を合唱していた。
子どもたちの素直な歌声が、風にのって広がっていった。
折り鶴ブースで千羽鶴を捧げていると
一人の男性が声をかけてくださった。
語り部活動をされている深井さんは75歳。
原爆被爆の方々は、言葉にならないほどの恐怖や生き残ったことへの自責の思い、
様々な場面での差別を恐れるなど、幾多の原因があって被爆の事実を話してこなかった方が
多かったそうだ。
戦後70年という節目を迎える中で、ようやく話し始める方が増えてきた。
などとお話くださいました。
私の衣姿が目にとまって、声をかけてくださった深井さん。
「まさに一期一会ですね。私も浄土真宗の門徒です。総代もしています。
どこへでも、お話に行かせてもらいますよ」と言ってくださった。
お寺の子ども会でぜひお招きして、子どもたちと一緒にお話をお聞きしたいと思った。

 その後、原爆慰霊碑へ参拝し、平和記念資料館へ足を伸ばす。
今年の春に展示内容が新しくなったこともあって、とても気になっていた。
早い時間から、修学旅行・社会見学などの子どもたちや若者・外国の方が大勢来場されている。
写真・手紙・遺品そして、あの日を思い出して描かれた絵など、展示内容をじっくりご覧になっていた。
亡くなられた方、特に若い世代の日記や手紙などが展示されているブースでは、
すすり泣く声がいくつも聞こえてきた。私の心にも、大きな衝撃が襲う。
ひとつひとつを十分受け止められないまま、整理のつかない問いが湧いてくる。

人間は、このような悲しみからどれほど学ぶことが出来ているのだろうか。
同じ事実を目の当たりにしても、その受け止め方は人それぞれである。
だから、今でも世界のあちらこちらで紛争の火が消えない。
争いを続ける人々は、本当は何を求めているのだろうか。
このような悲しみを前にしてでも、なぜ、平和ということがこれほど実現しにくいのだろうか。
私たちに何が必要なのだろうか。
そして、私には・・・。
(人間という生き物のどうしようもなさに、絶望を感じることもある私だ)
ただ、かすかな希望の光は、今日この平和記念資料館に足を運んでくれた国内外の人々、そして若者たちだ。

 この人々は、そして若者たちは何を見て、何を感じ、
自分の身の周りをそして将来をどうしたいと思っているだろうか。
一人一人尋ねてみたい衝動に駆られた。
「争いを一つでも減らせる世にするには、何を実践したらよいと思いますか?」
若い世代のアイデアを大切なヒントにしたいと思った。

■ご紹介:広島平和記念資料館
http://hpmmuseum.jp/

広島市平和記念公園
http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/1483699383190/index.html

折り鶴と「原爆の子の像」について
http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/1110438305305/

■絵本のお坊さん問い合わせ先 
 名前:福間玄猷(ふくまげんゆう)
 住所:広島県三次市西酒屋町甲156 源光寺内
 電話:0824-63-5906
 メール:gfukuma@agate.plala.or.jp
 源光寺ホームページ:http://www.genkouji.com/
 Facebook:https://www.facebook.com/gfukuma
 絵本のお坊さんブログ:http://genkouji.com/blog/
 YouTube動画:NO.1 2019源光寺サマースクールの一コマ
          https://www.youtube.com/watch?v=nGl8akzD2gQ&t=48s

■絵本のお坊さんが出来ること。
絵本の読み語り ご希望の場所に出向き、年齢にあわせた読み語りをします。
仏さまのお話(=ご法話の会) ご依頼の場所へ出向き、仏さまの教えをお話しします。
悩み事相談 人生・子育て・孫育て・人間関係・仏事などのご相談をお受けします。
お寺での楽しい行事をご紹介します。-門信徒会・仏教婦人会・お寺の子ども会などで、
                   新たな出会いと学びが広がります。
お寺でのボランティアをご紹介します。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA