あなたは どんな夢や希望を胸に生きていますか?

2019年9月20日


 
 フジテレビ「監察医 朝顔」の最終回が、9月23日(月・祝)に放送される。
7月8日に第1話が放送されていたこのドラマを、私はほんの数日前にインターネットを通じて、
たまたま見ることになった。
全く知らなかったが、2011年東日本大震災がこの物語の大きな土台となっているのだった。
あの震災で行方不明になった実母を探す中で、多くの方々の死を目の当たりにし、
遺体安置所で検視作業する法医学者に出会い、自分も同じ道に進むことになった若い法医学者の日々を扱っている。
 
 私自身、阪神・淡路大震災を体験している一人であり、
東日本大震災では復興支援活動に関わった一人であるため、
被災地の様子が少なからず再現された場面では、強く胸に迫るものがあり、
涙がこぼれた。
同時に、2011年以降も、熊本地震・西日本豪雨災害・北海道胆振東部地震・
台風15号に関わる停電など、各地で自然災害が続いている。
あの東日本大震災の被災地では8年経った今でもその傷跡が残り、
原発事故に関わる不安を抱えながら日々を重ねている人が大勢いる。
この狭い国土において、いまだに復興途上にある地域がこれほど多く数えられてしまうことに、
あらためて驚きを隠せない。
 さらに、今回の台風15号に関する政府の対応については、いろいろと考えさせられる。
それぞれ最前線の現場では昼夜問わず復旧作業が続けられているのだが、
被災された方々や作業にあたっている方々の苦労が、政治を担っている方々にどれほど伝わっているのか、
はなはだ疑問を感じるのだ。あれだけの権限と能力と財源が集まっているわけだから、
被災されている方とその復旧を国の最優先にしてもっと物事が迅速に進まないのだろうかと、
忸怩たる思いをしている。幾多の災害を経験しているにもかかわらず、
政府として各地の災害に学び、防災・減災に生かすことがあまりに少ないのではないか。
政府は、「日本人は忍耐強い」ということにあぐらをかいているのではないか。
原発事故などに代表されるが、「国民は、時が経過すれば忘れてしまうだろう」などと
目先をごまかすことにのみ一生懸命になっているのではないか。そんな勘ぐりをしてしまう。
 そのことは積み重なると、国民不在の政治となり、権力者の暴走となるだろう。
そして、「何も期待できない」「どうせごまかされている」「がんばっても意味がない」
「正直者が馬鹿を見る」などという言葉に象徴されるように、国民一人一人の生きる力をそいでしまうことになるだろう。
 
 監察医「朝顔」の場合は、悲しみの中で多くの人に支えられながら自分の仕事に出会い、
自らの悲しみを糧に歩み出しているが、現実には、全ての方がそのような道を歩めるとは限らない。
日常生活において弱い立場にある方は、このような災害で特にその影響を受けてしまう。
それは、外国から来られた方にとっても同じであろう。せっかく夢や希望を持って来日しても、
思いがけない災害に遭遇し、言葉も不自由な中でその後の日常生活での支援が行き届かないならば、
日本に来たことを悔やむだろうし、日本人に対する印象も変わってしまうだろう。
自分のその子や孫に対して、「夢や希望を持って生きていけ」とつぶやけるだろうか。
夢や希望は自分一人で持てるものではなく、苦しい中でも支えてくれる人々や仕組みに出会えてこそ、
再び持てるようなものだからだ。
 
 さあ、私たちは、何を信頼し、どんな夢や希望を胸に生きて(そしていのち終わって)いくことが出来るのだろうか。
 あなたの夢や希望を、ぜひ聞かせてほしい。

■ご紹介:
フジテレビ 「監察医 朝顔」
https://www.fujitv.co.jp/asagao/index.html

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                  新たな出会いと学びが広がります。
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お墓の相続に関するご相談もお受けします。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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