あなたには 安心して涙流せる場所がありますか?

2019年10月14日

「また、やなせさんの歌が聴きたいです」

何度となくリクエストを受けていたことが、私の頭の片隅にあったのだろう。
昨年の西日本豪雨災害。
まさに思いがけない被害を目の当たりにして、不安や心配を抱えていた私。
次の日のご法事を前に本堂の掃除をしていた時、「あっ、そうだ」とつぶやく。
そして、掃除機のスイッチを切り、ポケットの入れている携帯をいじった。
電話帳の名前は「やなせなな」
すぐつながった。
「もう一度、やなせさんの歌声が聞きたいのです」

西日本豪雨災害がなければ、いま抱えているような心配や不安はなかったが、
この度の再会もなかっただろう
。聞けば、今年はやなせさんにとって15周年という節目。
その記念すべき年に再びお迎えできたことにも不思議を感じる。

門信徒会主催
「トーク&ライブ一期一会」17
今回は、第1部-自主製作映画「祭りのあと」の上映と製作秘話の紹介
    第2部-スペシャルライブ
の2部構成。

第1部
35分というまさに短編だが、観る年代それぞれの余韻が生まれた。
「大事な伴侶を亡くしたあとに、遺された人がどのように生きていくのか」という、
だれもが経験する場面を丁寧に描いていく。
そこには大切な人を見送ったということ、
やがて自分もいのちを終えていくということ、
さらに、
大切な人を遺していくということ
これらが観る人の体験とリンクすることで、様々な感情をわき上がり、多くの気づきを促していく。
本当に奥の深い映画であった。
製作秘話では、ご自身もお弁当屋さんで出演していたことや
地域ぐるみで皆さんが出演してくれたこと。
思いつきでスタートした映画作りがこれほどお金がかかるものかと初めて知り、
クラウドファンディングで多くの協力を得られたことなど。
奈良弁というか関西弁もどこか懐かしく、
また、神様と仏さまを同じように大切にしてこられた土地柄のお話も、新鮮に聞かせてもらった。
 
 休憩の後、第2部スペシャルライブ。
 やなせななさんご自身の体験と、これまでの「お寺コンサート」「被災地支援」
などで出会われた人々や現地の風景、さらには「別れの先に広がる救い」などを歌に込めて、
届けてくださった。
2011年にお招きして以来、何度となくやなせななさんの歌をCDで聴いてはきたが、
一つの歌にそれぞれの出会いや別れ、願いか込められてあることを改めて知った。
歌の背景を知ることで、心がさらに揺さぶられ、知らずに涙がぽろりぽろり。
今回は、スクリーンも効果的に使いながらのライブとなり、
15周年のメモリアルイヤーにふさわしいライブだった。

 ギャラリーでは、好きを仕事にする大人塾「かさこ塾」で知り合った中村友城さんに、
指文字書道の作品を飾ってもらった。
筆ではなく、指そのもので書くその手法に驚くと共に、
ほとばしる情熱やエネルギーを感じた作品だった。
中には、「持って帰って飾りたい」と相談をしておられた方もあり、
まさに一期一会のすばらしいひとときとなった。
人との出会い、作品との出会い、仏さまとの出会い。
これらの出会いが重なり合って、人生が豊かに編み込まれていくのだろう。

おいでになった方の中には、
「お寺って涙を流せる場所なんですね。そのことを初めて知りました。
普段は、涙を見せることなんてできませんよね。
やなせさんのトークライブに来てよかったです。
また、聞きたいです」
と感想を聞かせていただく方もあり、私自身もとてもうれしかった。
さあ、やなせさんの歌を聴いて、いっぱい涙を流しながら、明日に進もう!

■ご紹介
やなせななホームページhttps://yanasenana.net/

■絵本のお坊さん問い合わせ先 
 名前:福間玄猷(ふくまげんゆう)
 住所:広島県三次市西酒屋町甲156 源光寺内
 電話:0824-63-5906
 メール:gfukuma@agate.plala.or.jp
 源光寺ホームページ:http://www.genkouji.com/
 Facebook:https://www.facebook.com/gfukuma
 絵本のお坊さんブログ:http://genkouji.com/blog/
 YouTube動画:NO.2 2012源光寺トーク&ライブ一期一会10周年https://www.youtube.com/watch?v=_MM4cXzNh9Y&t=1s

■絵本のお坊さんが出来ること。
1.仏さまのお話(=ご法話の会) ご依頼の場所へ出向き、人生の確かなよりどころとして仏さまのお話しをします。
2.絵本の読み語り ご希望の場所に出向き、年齢にあわせた読み語りをします。
3.悩み事相談 人生・子育て・孫育て・人間関係・仏事などのご相談をお受けします。
4.お寺での楽しい行事をご紹介します。-門信徒会・仏教婦人会・お寺の子ども会などで、新たな出会いと学びが広がります。
5.お坊さんとのコラボをお受けできます。お坊さんとの化学反応を楽しみませんか。
6.お寺という宗教空間をお貸しできます。深い気づきや発見があるでしょう。
7.お寺でのボランティアをご紹介します。
8.お墓の相続に関するご相談もお受けします。
9.仏教入門講座をおすすめします。仏教の教えや作法のイロハから,わかりやすくお話しします。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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