びっくり!でもうれしい! 平日に法事に参ったお孫さん

2019年10月29日

 ある平日、午後からのご法事。おじいちゃんの13回忌がお寺で勤まる。
平日だから、子どもはいないだろうと考え、絵本は準備していなかった。
時間になってお迎えすると、なんと小学生が制服を着て参っている。
うれしい気持ちと絵本を準備していない動揺を秘めながら
「今日は、学校がお休みですか」
「学校を早退してきた」
法事に参ろうと誘ったご両親もすごいが、同意をして参った孫もすごい。
お経に入る前に、
「子どもたちが参った時にはいつも絵本を飲むけれど、今日はどうしようか。
絵本の読み語りがいいか、お坊さんの難しいお話がいいか、どうですか」
すると、お坊さんの難しいお話がいいとのこと。
お話を聞いてみたいという気持ちがうれしく、本気でお話をさせてもらった。
 聞けば、おじいちゃんとの直接な思い出はないそうだ。
おじいちゃんの3回忌の時にまだ赤んぼうだった彼は、お母さんにだっこされて源光寺に参っていたそうだ。
彼の父親は、「あの時は絵本を読んでもらいました」と覚えてくださっていた。
 
「明日学校に行ったら、「昨日なんで早退したん」とお友達から聞かれると思うよ。なんて答えようか」
「わかりません」
「じゃあね、いのちの勉強をしてきたって答えてみるといいね。ところで、いのちの勉強っていう中身がわかるかな」
「?」
「それはね、1つ目に、おじいちゃんを偲ぶということ。2つ目に、今の世の中をしっかり見ることだよ。
タナカ君は、今の世の中で気になっていることがありますか」
「特にはありません」
「絵本のお坊さん(=私のこと)は、とても気になっていることがあるんだよ。
それは台風19号です。タナカ(=仮名)君は、台風19号のことをテレビや新聞で見ていますか」
「見ています」
「あの様子を見て、どんな気持ちになりますか」
「こわいなあと思います」
「その気持ちを家族やお友だちなどに話してみることがありますか」
「はい、お母さんに話しました」
「お母さんは、なんて声をかけてくれましたか」
「そうやなあと言ってくれました」
「お母さんにそうやなあと言ってもらえて、どんな気持ちになりましたか」
「ん~、なんか心が温かくなりました」(お母さんは、我が子を見つめて、にっこり)
「聞いてもらえてよかったね。
今日はおじいちゃんが亡くなられてお勤めする法事です。おじいちゃんを偲ぶ日です。
偲ぶとは、おじいちゃんの思い出を思い出し、その思い出を語り、その思い出を聞き合う日です。
おじいちゃんの人生にはどんな喜びがあり、どんな苦労があり、どんなことを願ってくれていたか。
そしてどんな時代だったかを語り合うことで、直接思い出がないタナカ君にとっても、
人生を学ぶことができる日です。いっぱいおじいちゃんの思い出話を聞いて、
そのことをこれからいつでも思い出して、人生のヒントにして生きていってくださいね。
また、お参りしてくださいね」
タナカ君との再会を願って握手をし、見送った。昼下がりのさわやかな風が、ほおにふれた。 

■絵本のお坊さん問い合わせ先 
 名前:福間玄猷(ふくまげんゆう)
 住所:広島県三次市西酒屋町甲156 源光寺内
 電話:0824-63-5906
 メール:gfukuma@agate.plala.or.jp
 源光寺ホームページ:http://www.genkouji.com/
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■絵本のお坊さんが出来ること。
1.仏さまのお話(=ご法話の会) ご依頼の場所へ出向き、人生の確かなよりどころとして仏さまのお話しをします。
2.絵本の読み語り ご希望の場所に出向き、年齢にあわせた読み語りをします。
3.悩み事相談 人生・子育て・孫育て・人間関係・仏事などのご相談をお受けします。
4.お寺での楽しい行事をご紹介します。-門信徒会・仏教婦人会・お寺の子ども会などで、新たな出会いと学びが広がります。
5.お坊さんとのコラボをお受けできます。お坊さんとの化学反応を楽しみませんか。
6.お寺という宗教空間をお貸しできます。深い気づきや発見があるでしょう。
7.お寺でのボランティアをご紹介します。
8.お墓の相続に関するご相談もお受けします。
9.仏教入門講座をおすすめします。仏教の教えや作法のイロハから,わかりやすくお話しします。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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