お仏壇を巡るうれしい話 「仏さまに手を合わす伝統」

2019年11月13日

 最近の少子・高齢・過疎の影響で、家を処分するにあたりいわゆる「仏壇じまい」
のご依頼を受けることが増えてきた。
ご当家やその親族がいらっしゃって、最後のお参りをさせていただくことがほとんどだが、
なかには、
「明日には解体業者が入りますから、今日中にお願いします。
電気もつきませんし、散らかっていますから靴のままあがってください」
と不動産業者の立ち会いで、最後のお参りをさせていただくことも。何とも言葉にならない、複雑な心境だ。
 
 去る00月00日、ご門徒のAさんから電話が入る。
Aさん「(母の)家が売れましたので、最後にお仏壇のお参りをしてください」
私 (また、仏壇じまいか。淋しいなあ)「お仏壇は、その後どうなさるのですか」
Aさん「私の家に迎えることにします」
私「それはよかったですね!よく決断してくださいました。では、00日にお参りをさせていただきます。」

Aさんは、これまでひとり暮らしをされていたお母さんが高齢になり、
ひとり暮らしは不安だということで、引き取ってここ1年ほど一緒に生活をされていた。
私も、お母さんだけでなく、空き家のその後も気になっていたので、とてもうれしかった。
片付けが進んでがらんとなったお宅で最後のお参りをし、
数週間後、Aさんのお宅に迎えたお仏壇(ご本尊)の前で入仏慶讃法要を勤め、
そして一週間後の今日は、ご家族で在家報恩講のお勤めをした。
長年手を合わせていたお仏壇の前で、娘であるAさん夫婦・Aさんのお嫁さんと一緒に座り
「嫁さんまで一緒に参ってくれるのは有り難い」
とお母さんは涙を浮かべて喜んでくださった。
報恩講を初体験したお嫁さんも、うれしそうだった。
これで、次世代にも「仏さまに手を合わす伝統」が受け継がれていく。
住職としては、本当にうれしい日となった。
 
 一般的にお仏壇は、亡くなった故人の供養のために迎えるものというとらえ方が多いようだが、
浄土真宗においては、次のようにお話をして、ご本尊のご安置をお勧めしている。
・仏壇は、迷える私たちをすくわずにはおれないと、常に寄り添い、
はたらいてくださっているご本尊、阿弥陀如来をご安置するために置くものであり、
「お内仏」ともいいます。よって、仏壇は家庭のなかで最も尊厳な場所であり、家庭生活の中心となるものです。
・仏壇は、故人や位牌のためのものではなく、
日々を生きる支えである阿弥陀如来のお慈悲に私が遇う場所ですから、
「うちには亡くなった人がいないから、仏壇はまだいらない」という考えかたはしません。
・私がお慈悲に気づかせていただく場こそが仏壇であり、私が仏法に出遇わせていただいてこそ「仏事」なのです。

■絵本大好き住職の問い合わせ先 
 名前:福間玄猷(ふくまげんゆう)
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■絵本大好き住職が出来ること。
1.仏さまのお話(=ご法話の会) ご依頼の場所へ出向き、人生の確かなよりどころとして仏さまのお話しをします。
2.絵本の読み語り ご希望の場所に出向き、年齢にあわせた読み語りをします。
3.悩み事相談 人生・子育て・孫育て・人間関係・仏事などのご相談をお受けします。
4.お寺での楽しい行事をご紹介します。-門信徒会・仏教婦人会・お寺の子ども会などで、新たな出会いと学びが広がります。
5.お坊さんとのコラボをお受けできます。お坊さんとの化学反応を楽しみませんか。
6.お寺という宗教空間をお貸しできます。深い気づきや発見があるでしょう。
7.お寺でのボランティアをご紹介します。
8.お墓の相続に関するご相談もお受けします。
9.仏教入門講座をおすすめします。仏教の教えや作法のイロハから,わかりやすくお話しします。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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