絵本のお坊さん 初めの第一歩

2020年1月28日

 今から20年近く前のこと。
私が広島県三次市のお寺に入寺して、まだ3年も満たない冬のある日。
長い間、脳梗塞で療養をされていたおじいさんが亡くなられた。

通夜・葬儀が終わり、孫にあたる中学生がおじいさんの七日参りに毎週通ってくれる。
その中学生は同居ではなく、ちょうどスープの冷めない距離にある自宅から
自転車をこいで駆けつけてくれている。
満中陰まで毎週ある七日参りで、一緒にお経を唱え、ご法話も。
難しい専門用語を使うことは出来ないし、世間話でお茶を濁すことも出来ない。
中学生が気に入るようなスポーツやゲームの話も、私は出来ない。
多感で思春期真っ最中の中学生に、どんなご法話ができるだろうか。
当時の私にとって、最大の課題だった。

 そんなある日、2時間かけて研修会に向かう道中、本屋さんにふと立ち寄った。
入り口から近いところに、その本が平積みされていた。『葉っぱのフレディ』というタイトル。
手にとってぱらぱらとめくり「こんな絵本が出たのだ!」と驚きを持ちながらも、
お店を出た。車に乗り込もうとした私の脳裏に、彼の顔が浮かんだ。
「よし、今度の七日参りで読んでみよう!」

 幼い頃からお寺で育てられた私は、毎月の法話会や学びを重ねていくことで、
仏教や浄土真宗の教えそのものに支えられてきた実感があった。
「僧侶は仕事」という以前に生き方そのものであったし、
仏教という真実はだれにも必ず伝わるものだと思っていた。
しかし、環境が変わり様々な方々と出会う中で、仏教という真実がなかなか伝わらない現実に
数多く直面することとなる。
当初は、「なぜわかってもらえないのだろう」と相手の関心の薄さに、
腹立たしさを感じることが多かったが、
次第に「どのような工夫をすれば受け止めていただけるだろうか」と、
言葉や思いが伝わるための環境作りを試行錯誤するようになっていく。
(続く)

■絵本のお坊さん問い合わせ先 
 名前:福間玄猷(ふくまげんゆう)
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■絵本大好き住職が出来ること。
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  として仏さまのお話しをします。
2.絵本の読み語り ご希望の場所に出向き、年齢にあわせた読み語りをします。
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4.お寺での楽しい行事をご紹介します。-門信徒会・仏教婦人会・お寺の子ども会
  などで、新たな出会いと学びが広がります。
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9.仏教入門講座をおすすめします。仏教の教えや作法のイロハから、
  わかりやすくお話しします。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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