昭和46年生まれの私。
10年ほど前までは、近所のお葬儀を手伝ったり、
親戚のご法事に参ることが数多くあった。
無理矢理にでも冠婚葬祭を手伝いながら、近所や親戚づきあいを重ねてきた。
それは、自ずと生き方や死に方を考える時間にもなっていた。
だが、昨今は、少子・高齢・過疎のなかで、急激に近所や親戚づきあいが少なくなり、
生老病死が非日常とされ、悲しみの場に直接立ち会うことも極端に少なくなってきているようだ。
20年以上も前のあるお宅でのお通夜・お葬儀の出来事がきっかけとなり、
お通夜・お葬儀・ご法事に参ったその子どもや若者とは、
「まさに一期一会なのだ」
と気づかされた。
ならば、そのたった一度がどれほど印象深い仏縁となるかをととのえるのが、私の役目だと考えた。
それまで、法事の席で一番後ろに座り、退屈そうに参っていた子どもや若者に、
「学生さんは前に来てください」と呼びかけ、読経と大人の方への法話の間に、
絵本の読み聞かせを取り入れ始めた。その取り組みも20年を越えた。
最初はめんどくさそうに聞いていた子どもたちも、
幼い頃に両親や幼稚園・保育所の先生方が読んでくれた原体験がよみがえり、
そのうち食い入るように絵本の世界に入り込んでいく。
それが大人にも波及し、世代を超えた共有の時間が出来上がる。
数年前からは、(事情が許せば)お通夜でも絵本の読み語りを取り入れている。
それまでの悲しみだけの場に、ほのかな温かさと彩りが加えられていく。
そして、「ぼくに絵本を読んでくれたお坊さんだ」と確かな思い出として、子どもたちの心に刻まれていく。
「孫たちは忙しいから」と、法事によぶことを躊躇される年配の方は多い。
しかし、ご法事は
1.故人を偲び、悲しみを分かち合い、親戚・縁者のつながりを確認し合う場
2.いのちの学びの場
3.共に仏法を聴聞する場
つまり、法事でないと出来ないことがたくさんある。
最近では、「絵本を読んでもらえるよ!」
と自信を持って法事を誘ってくださる方々が増えてきた。
中には、法事が終わった後、うれしそうに駆け寄ってきて
「ぼくの時も読んでくれましたよね」
と声をかけてくれる若者もいて、とてもうれしい。
*ちなみに、学生とは小学生・中学生・高校生・大学生・大学院生・
予備校生・各種学校生をイメージしている。その彼らにつられて、
幼稚園や保育所の子どもたちも前に座ってくれるのだ。
子どもたちの素直な瞳に、こちらがドキドキするほどだ。
(続く)
■今日の絵本:
『わすれられないおくりもの』S.バーレイ/作 小川仁央/訳 評論社/発行
http://www.hyoronsha.co.jp/company/index.html
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名前:福間玄猷(ふくまげんゆう)
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として仏さまのお話しをします。
2.絵本の読み語り ご希望の場所に出向き、年齢にあわせた読み語りをします。
3.悩み事相談 人生・子育て・孫育て・人間関係・仏事などのご相談をお受けします。
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などで、新たな出会いと学びが広がります。
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わかりやすくお話しします。