こんなに楽しいお通夜は初めて!

2020年2月3日

冒頭は、80代のお父さんを亡くされた喪主の方の挨拶の一部である。
「私はこれまでいろんなお通夜に行きましたが、こんなに楽しいお通夜は初めてでした。
いろんな思い出話が出来て楽しかったです。
そして、遠方からも父のためにお参りくださって、有り難うございました。
きっと父が引き合わせてくれたのだと思います。(略)」

葬儀の終わりに、喪主である息子さんは、昨晩のお通夜をふりかえってこのように挨拶をされた。
「お通夜が楽しい?」
不審に思った方も多いと思うが、まさに「啐琢同時」
この言葉は、様々なご縁の積み重ねの中でつぶやかれたものである。
それは、
・お父さんご健在の頃から、ご当家と在家報恩講などの仏縁があった。
・息子さんご家族とは小学校の保護者としてつきあいがあった。
・親戚の方も源光寺のおこよりに毎月参ってくださっていた。
・お通夜で初めてお目にかかった方々も、日頃の生活の中で様々な問いを抱いておられた。
・私が「あるプリント」をお渡し、お父さんの思い出を皆さんに書き出してもらった。

お通夜の晩には、お寺の会館でお泊まりになるご家族のためにお布団の準備をしながら、
私はいくつもの質問を受けた。大切な方との別れの中で、ごく自然にこぼれ出た貴重な問いである。

「死んだ父の魂はここにあるのですか」
「この後はどこに行くのですか」
「そもそも魂って何ですか」
「死んだら、無になるんじゃないんですか」
などなど。

 これまでなら、知識のありったけを並べて解説をしていただろうが、今回はそれをやめた。
葬儀が終わり、火葬が済み、お骨となって還って来られた後のお参り(=還骨勤行)で、
「この2日間で感じたこと、語り合ったことは、皆さんの今後の人生の大きな糧となるでしょう。
(略)2500年伝わってきた仏教について、この10分程度の限られた時間で語り尽くすことは出来ません。
だからこの場では、1冊の絵本を紹介します。
この絵本は、仏教の世界観として説かれた西方極楽浄土を紹介しています。
昨晩にお聞きした質問にも、少しお応えできるかと思います。
足らないところは、今後の仏縁で少しずつお話しできたらと思います。
これで葬儀が終わりますが、同時に皆さま自身の仏縁の始まりだと思っていただけるとうれしいです」
そうお話しして、絵本の読み聞かせをした。

帰り際に、「あのお寺さんなら また相談に行きたいなあって、娘が言っていましたよ」
とご親戚の方の言葉をいただいた。
この度の別れと出会いに、わずかでも意味を見いだしていただけたなら、とてもうれしい。

*私がお渡しした「あるプリント」については、後日取り上げたい。

■本日の絵本
『For Your Everything ありのままで』
葉祥明/文・絵 株式会社角川学芸出版/発行
浄土宗/監修 (宗祖法然上人800年大遠忌記念出版)
https://press.jodo.or.jp/products/detail.php?product_id=94
阿弥陀仏が、極楽浄土という仏の国をいかに建立したかを説く経典『無量寿経』をもとに生まれた絵本。シリーズ65万部を超える『地雷ではなく花をください』をはじめ、世界的に活躍する絵本作家、葉祥明氏による鮮やかな水彩画と詩で『無量寿経』が私たちに語り掛けようとしていることをやさしく描く。繊細な筆致に、心が安らぐ一冊。(浄土宗出版ホームページより引用)

■絵本のお坊さん問い合わせ先 
 名前:福間玄猷(ふくまげんゆう)
 住所:広島県三次市西酒屋町甲156 源光寺内
 電話:0824-63-5906
 メール:info@genkouji.com
 源光寺ホームページ:http://www.genkouji.com/
 Facebook:https://www.facebook.com/gfukuma
 絵本のお坊さんブログ:http://genkouji.com/blog/
 仏教童話『アマリリスのような女の子』電子書籍版(紙芝居読み語り+絵本大好き住職のご法話)
 花岡大学/作 福間玄猷/脚色・読み語り・ご法話 山崎由莉子/絵

(2月1日AmazonKindleでの一般販売スタート。購入後の閲覧には、無料のKindleアプリが必要です)

■絵本大好き住職が出来ること。
1.仏さまのお話(=ご法話の会) ご依頼の場所へ出向き、人生の確かなよりどころ
  として仏さまのお話しをします。
2.絵本の読み語り ご希望の場所に出向き、年齢にあわせた読み語りをします。
3.悩み事相談 人生・子育て・孫育て・人間関係・仏事などのご相談をお受けします。
4.お寺での楽しい行事をご紹介します。-門信徒会・仏教婦人会・お寺の子ども会
  などで、新たな出会いと学びが広がります。
5.お坊さんとのコラボをお受けできます。お坊さんとの化学反応を楽しみませんか。
6.お寺という宗教空間をお貸しできます。深い気づきや発見があるでしょう。
7.お寺でのボランティアをご紹介します。
8.お墓の相続に関するご相談もお受けします。(樹林葬型公園墓地びおらの丘)
9.仏教入門講座をおすすめします。仏教の教えや作法のイロハから、
  わかりやすくお話しします。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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