「死ぬというのも変わることの一つ』は、真実だけど・・・

2020年6月5日


 風が変わったのは そのあとでした。夏の間 笑いながらいっしょに踊ってくれた風が 
別人のように 顔をこわばらせて 葉っぱたちにおそいかかってきたのです。
葉っぱはこらえきれずに吹きとばされ まき上げられ つぎつぎと落ちていきました。
「さむいよう」「こわいよう」葉っぱたちはおびえました。
そこへ 風のうなり声の中からダニエルの声が とぎれとぎれに 聞こえてきました。
「みんな 引っこしをする時がきたんだよ。とうとう冬が来たんだ。ぼくたちはひとり残らず ここからいなくなるんだ。」
 フレディは悲しくなりました。ここはフレディにとって 居心地のよい夢のような場所だったからです。
「ぼくもここからいなくなるの?」
「そうだよ。ぼくたちは葉っぱに生まれて 葉っぱの仕事を全部やった。
太陽や月から光をもらい雨や風にはげまされて 木のためにも他人のためにもりっぱに役割を果たしたのさ。
だから 引っこすのだよ。」とダニエルは 答えました。「ダニエル きみも引っこすの?」とフレディはたずねました。
「ぼくも引っこすよ。」
「それはいつ?」
「ぼくのばんが来たらね。」
「ぼくはいやだ!ぼくはここにいるよ!」とフレディは おお声で叫びました。
 アルフレッドもベンもクレアも そのとき が来て 引っこしていきました。
見ていると彼にさからって 枝にしがみつく葉もあるし、あっさりはなれる葉っぱもあります。
やがて木は葉を落として 裸どうぜんになりました。残っているのは フレディとダニエルだけです。
「引っこしをするとか ここからいなくなるとか きみは言ってたけれどそれは-」とフレディは胸がいっぱいになりました。
「死ぬ ということでしょ?」
ダニエルは口をかたくむすんでいます。
「ぼく 死ぬのがこわいよ。」とフレディが言いました。「そのとおりだね。」とダニエルが答えました。
「まだ経験したことがないことは こわいと思うものだ。でも考えてごらん。世界は変化しつづけているんだ。
変化しないものは ひとつもないんだよ。春が来て夏になり秋になる。葉っぱは緑から紅葉して散る。
変化するって自然なことなんだ。きみは春が夏になるとき こわかったかい?緑から紅葉するとき こわくなかったろう?
ぼくたちも変化し続けているんだ。
 死ぬというのも 変わることの一つなんだよ。」
***

 今日も冒頭に、『葉っぱのフレディ』の一節を紹介した。
私が最も衝撃を受けた部分だ。これほどストレートに「死ぬ」ことを表現した絵本は、その当時初めてだったからだ。
中学生に読み語りをした時、思わず声がうわずり、涙がこぼれるのを必死に押さえた思い出がある。
落ち着いてこの部分を読めるようになったのは、それから数年かかったと思う。
そうした頃、私自身に新たな気づきがあった。「春が夏になる時は一つもこわがっていない。
むしろ、夏が来るのを楽しみにしている。なのに、同じ変化である老・病・死を受け入れられず、ことさらに怖がっている自分がいる。
これが、いのちに対する偏った見方ということか!」
今日の締めくくりに、作者からのメッセージをご紹介する。

この絵本を
死別の悲しみに直面した子どもたちと 死について適確な説明ができない大人たち 死と無縁のように青春を謳歌している若者たち そして編集者バーバラ・スラックへ 贈ります。
 ぼくは一本の木であり バーバラはこの十年間かけがえのない葉っぱでした。
(レオ・バスカーリア)

■ご紹介:『葉っぱのフレディ』レオ・バスカーリア/作 みらいなな/訳 島田光雄/画
http://www.dowa-ya.co.jp/books/ehon/freddie/freddie.html

■新たな仏縁の創造を願ってご紹介
浄土真宗本願寺派ホームページhttp://www.hongwanji.or.jp/
源光寺樹林葬型公園墓地「びおらの丘」 http://www.genkouji.com/viola.html
仏教書朗読『あなたがあなたになる48章』第2章 福間玄猷YouTubeチャンネル

源光寺ホームページ http://www.genkouji.com/
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築地本願寺(浄土真宗本願寺派)ホームページ https://tsukijihongwanji.jp/

■絵本大好き住職が出来ること。
1.仏さまのお話(=ご法話の会) ご依頼の場所へ出向き、人生の確かなよりどころ
  として仏さまのお話しをします。
2.絵本の読み語り ご希望の場所に出向き、年齢にあわせた読み語りをします。
3.悩み事相談 人生・子育て・孫育て・人間関係・仏事などのご相談をお受けします。
4.お寺での楽しい行事をご紹介します。-門信徒会・仏教婦人会・お寺の子ども会
  などで、新たな出会いと学びが広がります。
5.お坊さんとのコラボをお受けできます。お坊さんとの化学反応を楽しみませんか。
6.お寺という宗教空間をお貸しできます。深い気づきや発見があるでしょう。
7.お寺でのボランティアをご紹介します。
8.お墓の相続に関するご相談もお受けします。(樹林葬型公園墓地びおらの丘)
9.仏教入門講座をおすすめします。仏教の教えや作法のイロハから、
  わかりやすくお話しします。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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