神戸で賀川豊彦師に出会った

2020年6月18日

 

 関西でのお通夜・ご葬儀の際、ご門徒さんの紹介を受けて、葬儀会館の近くの宿を予約した。
コープ協同学苑という、ホテルにしては珍しい名前。電話口でチェックインの時間を聞かれ、
「お通夜が終わってから向かいますので、21時頃にはチェックインできると思います」とお伝えすると、
受付は夕方5時半で閉まりますから、直接宿泊棟へおいでください」と言われた。
お通夜で皆さんとの会食も終えた私は、少し不思議な気持ちを持ちながら、宿に到着した。
すっかり暗かったので建物の全景は分からなかったが、どうやらそこは研修施設のようだった。
部屋に入り荷物をほどいた私は、宿のことを調べようと引き出しを開けてみると、一冊の漫画が入れてあった。
『死線を越えて』という題名で、賀川豊彦師の生涯を記したものだった。
どうやらここ神戸が「生協の発祥の地」だそうで、私たちにはすっかり一般名詞のように当たり前になっている「協同組合」を立ち上げ、
その発展に力を注いだのが、この賀川豊彦師だと初めて知ることとなる。

賀川師は早くに両親と死別し、幾多の苦難を抱えたそうだ。
キリスト教に支えられて青年期を迎えた賀川師は、スラム街に住まいを構え貧しい人々を物心両面から支え、
あらゆる人を巻き込みながら支援の輪を広げていった。
その賀川師の熱意と行動力は多くの人々に受け継がれ、その考え方は分野を超えて具現化されていった。
私は、賀川師の活動を起源とする組織や団体が、今でもたくさんあることを知って、さらに驚いた。

現代とは想像を遙かに超えた激動の中、現実を嘆くだけで終わらなかった賀川師と、私は出会った。
より所とする宗教は違えど、「目の前の人を放っておくことができない」との慈しみという点において、
キリスト教と仏教の大いなる共通点も感じた。

 翌日、コープ協同学苑内の賀川豊彦特別展示室が併設されている史料館を、特別に開けていただいた。
賀川師の関係資料のほか、コープこうべ誕生から現代に渡る展示物、阪神・淡路大震災に関わる展示物があり、
それぞれの時代に思いを馳せながら観覧させていただいた。

 もし、この神戸でのお通夜・お葬儀のご縁がなければ、賀川豊彦師と出会えなかった。
そして、ご門徒さんの紹介でなければ、きっと他の宿泊場所をとっていたであろう。
そうなら私は、賀川師を知らずに人生を終えていたかもしれない。
奇跡のような出会いと学びを得た私は、預かっているお寺の護持にあたふたしている自分自身が、なんともちっぽけな存在に感じた。

後で調べてみると、
大正・昭和期のキリスト教社会運動家、社会改良家。戦前日本の労働運動、農民運動、無産政党運動、生活協同組合運動、
協同組合保険(共済)運動において、重要な役割を担った人物。日本農民組合創設者。「イエス団」創始者。
キリスト教における博愛の精神を実践した「貧民街の聖者」として日本以上に世界的な知名度が高く、
戦前は、現代の「三大聖人」として「カガワ、ガンジー、シュヴァイツァー」と称された。 
引用: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

とも記されていた。

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投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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