お釈迦さまの人生を学ぶのはなぜ?個別性と共通性

2022年3月2日

私は、お寺にあった「お釈迦さま」の絵本を、小さな頃からよく読んでいました。 王子として生まれ、何不自由なく生活できた青年時代。人々が老病死に苦しむ姿を見て、「これは他人事ではない」と気づき、その苦悩を超える道を求めた修行時代。悟りを開き、人々に「本当の幸せの道」を説き続けた仏陀としての時代・・・。手垢がつくほど、繰り返し読んでいたことを思い出します。ですから、私にとってお釈迦さまは、とても身近な存在だったと言えます。だから、お釈迦さまの生涯をご紹介することは、お坊さんになった私にとって、ごく自然なことでした。

「自分と直接関係がないお釈迦さまの話を、なぜ聞かなければなりませんか? 」
法話会に来られていた方からこのような問いかけを受けた時、私は大きく混乱しました。
講演後、「私は、キリスト教徒ですから」と、1時間以上お話しした内容すべてを否定された方もおられました。入信を薦めるような意図が全くなかった私は、大きなショックをおぼえました。

では、私は、何のために「お釈迦さま」の絵本を読み、その人生を「お聴聞という場」で聞き続けてきたのでしょうか?個別性と共通性という視点で、振り返ってみました。確かに、お釈迦さまと私は、直接の親戚関係はありません。お釈迦さまは、今から約2500年前にインド(現ネパール領)で生まれ、王子として成長された方でした。当然、時代も国も境遇も全く違いますね。だから、「関係ない」と言う人がいるのは、ごく自然なことかも知れません。
しかし、もう一つの視点=共通性から見直してみましょう。今私たちは、どんなことに悩んでいますか?年をとること、病気や大きな怪我を抱えること、必ずいのちを終えていかねばならないこと・・・。これらの苦しみをまとめて「四苦八苦」とも言われますね。この「四苦八苦」は、ごく自然なことだと心底うなずいている人が何人いるでしょうか?全くの他人なら別ですが、身内や家族、自分自身が直面した時、心が乱れ、思わず「除災招福」を願ってしまう人は少なくないと思います。これらの苦は、現代の私だけでなく、出家前のお釈迦さまも、これからの時代を生きねばならない子どもたちも、共通に抱えていかねばならないものです。だからこそ、2500年前のお釈迦さまが、その苦悩にどのように向き合っていったか、その苦悩を乗り越えたさきに何に出遇ったのかを学ばせていただくことが、自分自身の「四苦八苦」への向き合い方に大いに参考になるのです。さらに、私たちの向き合い方は、これからを生きる子や孫にとっても、大きなヒントになり得るのです。

私たち一人ひとりの人生は、いつも「初体験」の連続です。あらかじめ、おじいちゃんを体験しておくことは出来ません。一度、死んでみることも出来ません。「初体験」の連続だからこそ、不安や心配は多く、苦悩も大きくなるのです。ならば、自分より前に老病死を体験し、寄り添った人たちの声を聞き、その人生を学んでおくことは、あとを歩む自分にとって大きな導きになるはずです。私が、お釈迦さまや親鸞さま、祖師方の人生を学ばせていただくのは、そのような意味があるのです。

個別性だけで世の中の出来事を捉えてしまうと、「自分とは関係ない」ものばかりになります。私は、もう一段深い共通性という視点から、あらゆる出来事を捉え直す試みを重ねています。単に「戦争反対!」と叫んで終わることなく、「ロシアとウクライナの戦争」について、私たちとどんな共通性があるのか何度も咀嚼したいのです。

■新たな仏縁の創造を願ってご紹介
源光寺ホームページ http://www.genkouji.com/
樹林葬型公園墓地「びおらの丘」 http://www.genkouji.com/viola.html
お坊さんが必ず答えてくれるお悩み相談サイト hasunoha(ハスノハ)https://hasunoha.jp/
絵本のお坊さんブログ http://genkouji.com/blog/
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「2022年源光寺のご紹介」(パソコン用)

『新々みちしるべ 菩薩シリーズ』慈悲-観世音菩薩
仏は常に人びとの前に救いの手段を尽くす https://www.youtube.com/watch?v=RMMVzEVIodU
浄土真宗本願寺派ホームページhttp://www.hongwanji.or.jp/
築地本願寺(浄土真宗本願寺派)ホームページ https://tsukijihongwanji.jp/

■絵本大好き住職が出来ること。
1.仏さまのお話(=ご法話の会) ご依頼の場所へ出向き、人生の確かなよりどころ
として仏さまのお話しをします。
2.絵本の読み語り ご希望の場所に出向き、年齢にあわせた読み語りをします。
3.悩み事相談 人生・子育て・孫育て・人間関係・仏事などのご相談をお受けします。
4.お寺での楽しい行事をご紹介します。-門信徒会・仏教婦人会・お寺の子ども会
などで、新たな出会いと学びが広がります。
5.お坊さんとのコラボをお受けできます。お坊さんとの化学反応を楽しみませんか。
6.お寺という宗教空間をお貸しできます。深い気づきや発見があるでしょう。
7.お寺でのボランティアをご紹介します。
8.お墓の相続に関するご相談もお受けします。(樹木葬型公園墓地びおらの丘)
9.仏教入門講座をおすすめします。仏教の教えや作法のイロハから、
わかりやすくお話しします。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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