毎月、バイクで走り回りながら配り物をすると、その時々の季節の移ろいや町の変化を発見することが出来ます。車とは違って、駐車場所の心配はいらず視界も広いので、雨さえなければ気持ちの良い季節になってきました。バッタリ家の方に出会って立ち話をしたり、時には畑の野菜などを頂いたりと、地域の方とのつながりが実感できる貴重な機会でもあるのです。
80代のご夫婦のお宅にお届けしたら、ちょうどご主人が出てこられ「毎月、お疲れ様です。ちょっと待ってくださいよ!」と、再び台所に入られました。戻ってこられたその手には、リポビタンDがありました。ご主人の精一杯の気遣いがうれしくて、遠慮なく頂戴しました。
「有り難うございました。これで元気になりました。がんばって配ってきます」
おかげさまで、残りの配り物も順調に終えることが出来ました。
長年、源光寺の地区役員をしてくださった方でしたが、高齢を理由に退任されました。私としても淋しいのですが、こればかりは仕方がありません。もう、お寺においでになることはありませんが、こうして配り物で伺うとお目にかかることが出来るのです。きれいに咲いたバラも見せてくださり、ご夫婦の近況も伺うことができました。
ほんのわずかなやりとりですが、このような積み重ねで、私は(厳しい現実の中)今日もなんとか生きています。
俳優の渡辺裕之さんを偲んで投稿しました。