お坊さんも悩むんです 少子高齢過疎による会員の減少

2023年4月29日


広島県三次市は、全国でも少子・高齢・過疎の最先端を歩んでいると言われています。
当然、お寺もその影響を受けています。
新年度が始まり、お寺の教化団体(門信徒会・仏教婦人会)の役員会は無事に終わりました。
各地域で、役員さんが総会資料の配付や会費の集金に歩いてくださっています。

「高齢になりましたから、夜の役員会は出席できなくなりました」
「役員をしなければならないのなら、会員をやめます」
「地域の若い世代は、自治会等にも加入しないケースが増えています」
「コロナによって地域の関わりが減ってしまった3年間から、元に戻すのは大変ですね」
「施設に入りますので、仏教婦人会を退会します」
「会費の徴収は、振り込みを利用してはどうですか?」

これらの声から、私の地元の現状を想像して頂けるでしょう。
少子・高齢・過疎は、そもそも我が国全体の課題として様々な施策が取り組まれていますが、根本的な解決策は誰も見いだすことが出来ていません。お寺がどれだけがんばっても、それを食い止めることは出来ません。しかも、お寺の教化団体の役員はいわばボランティアですから、強制することも出来ません。これまでは、皆さまのまごころで、なんとか続けてこられた仕組みの一つです。宗旨の教えをお伝えし分かち合うための大切な組織ですが、組織の運営そのものが難しくなってきました。
会費の集金を振り込みに切り替えると役員さんの負担は減りますが、高齢の会員さん一人ひとりに振り込みに出かけていただかなくてはなりません。さらに、手数料を引かれるため、会の収入は減ってしまいます。役員さんと会員さんの関わりが少なくなるわけですから、会に対する興味・関心も減ってしまうでしょう。

「日本全体の問題だから」とあっさりあきらめることも出来ないが、これといった名案はない。一方で、役員や会員をやめるなどという声を聞くと、強い無力感を感じてしまう自分がいます。

お寺の組織に限らず、皆さんの地域では少子高齢過疎についてどのような試みをされていますか?
各種団体の運営について、どんな工夫をされていますか?
ぜひ、お聞かせ頂ければうれしいです。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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