通過儀礼の大切さ 現状の受け入れや気持ちの切り替えに必要不可欠

2020年5月31日

 人間は、いくつもの冠婚葬祭や通過儀礼(=人の一生における誕生・成人・結婚・死などの際に執り行われる儀礼)を経て、
成長・成熟していく動物だ。
誕生間もない命名から始まり、お食い初め・七五三・入園式・入学式・始業式・終業式・卒業式・入社式 ・結婚式・葬式などが
あげられるだろう。
冠婚葬祭や通過儀礼を経ることで、それまでを振り返り、ただいまを確認し、これからの歩みを想像する。
しかも、それらは、一人ではなく自分と縁のある者と時間・場所を共有し、つながりを実感し、共通の思い出とすることに意味がある。

ところが、新型コロナ騒動は、この冠婚葬祭や通過儀礼にも大きな影響を与えている。
それは単に金銭面の問題にとどまらない。
集うこと、ふれあうこと、語り合うことを難しくしているため、冠婚葬祭やその通過儀礼の実施をますます難しくしている。
親しいお坊さんから
「この春に就職を果たした子どもは、未だ会社に行けず自宅待機となっている。3月の卒業式も出来ず、
4月の入社式も行えない中での自宅待機が続いており、気持ちの切り替えがなかなか難しいようだ」
と話を聞いた。これは、決して、そのお坊さんに限定された話ではないはずだ。
 「新型コロナに罹り亡くなられた著名人の場合、そのご遺族が火葬場にも立ち会えなかった。
火葬されお骨となった姿で迎えるしかなかった」
とも聞いている。
 
今まで何気なく行なってきた冠婚葬祭や通過儀礼。
中には、その必要性を疑問視する声も聞かれることもあったが、実施できなくなったことで、
改めてその大切さが浮き彫りになっている。
だから、あらゆる現場で、なんとか工夫をしながら冠婚葬祭や通過儀礼を大切にしようという模索が始まっている。
 
指定伝染病に罹り亡くなられた方の場合は、感染予防のために遺体収納袋に収めることになっているが、
少しでも家族の別れが出来るようにと、この度透明の収納袋を準備された自治体の紹介があった。
「社会的距離を保つ」観点から様々な対策が勧められてきたが、最近は人の孤立を防ぐ点を重視し、
「身体的距離を保つ」という表現に切り替えられはじめたことも耳にした。

 これまでの経験や前例がなかなか当てはまらず、誰もが納得する正解が見えにくい中で、物事を進めていかなければならない。
私たち自身も、現実から目をそらさず、あらゆる情報から取捨選択し、決断した上での責任はそれぞれが担っていかねばならない。
更に、状況が変わった時には、過去に執着しない・・・。
言葉にすることは簡単だが、まさに歴史的出来事のまっただ中にいるとは、これだけ大変なことなのだと痛感している。
今まで当たり前に出来ていた冠婚葬祭や通過儀礼をどのような工夫をしながら行なっていくのか、一人ひとりの知恵と実践を重ねながら大切に勤めていきたい。

■ご紹介:「透明の納体袋」神戸市が準備 突然の感染死「故人を見たい」神戸新聞
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202004/0013246205.shtml

■新たな仏縁の創造を願ってご紹介
お坊さんが必ず答えてくれるお悩み相談サイト hasunoha(ハスノハ)https://hasunoha.jp/
絵本のお坊さんブログ http://genkouji.com/blog/
福間玄猷YouTubeサイト
https://www.youtube.com/channel/UCc73yUyaufMqtftsDFuoCoA?view_as=subscriber
仏教説話『だいじょうぶだよ へいきだよ』(青少年版 メッセージ動画つき)

築地本願寺(浄土真宗本願寺派)ホームページ https://tsukijihongwanji.jp/
浄土真宗本願寺派ホームページhttp://www.hongwanji.or.jp/
源光寺樹林葬型公園墓地「びおらの丘」 http://www.genkouji.com/viola.html
仏教書朗読『あなたがあなたになる48章』第1章 福間玄猷YouTubeチャンネル

源光寺ホームページ http://www.genkouji.com/

■絵本大好き住職が出来ること。
1.仏さまのお話(=ご法話の会) ご依頼の場所へ出向き、人生の確かなよりどころ
  として仏さまのお話しをします。
2.絵本の読み語り ご希望の場所に出向き、年齢にあわせた読み語りをします。
3.悩み事相談 人生・子育て・孫育て・人間関係・仏事などのご相談をお受けします。
4.お寺での楽しい行事をご紹介します。-門信徒会・仏教婦人会・お寺の子ども会
  などで、新たな出会いと学びが広がります。
5.お坊さんとのコラボをお受けできます。お坊さんとの化学反応を楽しみませんか。
6.お寺という宗教空間をお貸しできます。深い気づきや発見があるでしょう。
7.お寺でのボランティアをご紹介します。
8.お墓の相続に関するご相談もお受けします。(樹林葬型公園墓地びおらの丘)
9.仏教入門講座をおすすめします。仏教の教えや作法のイロハから、
  わかりやすくお話しします。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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