2月の初め「源光寺モネの睡蓮計画」で、池に入り睡蓮の根っこを掘り起こしていた時のことです。その日も、雪はなく気温も高め、陽射しもこぼれるなど外の作業にはもってこいでした。この日は、一人での作業。退屈なので、「NHKラジルラジル」アーカイブ放送を聞きながら、作業を進めていました。
その時流れてきたのは、2年ほど前に亡くなられた小説家・新井満さんが出演されていた番組でした。新井満さんは、特に「千の風になって」の作詞で有名になられた方ですから、ご存じの方も多いでしょう。「千の風になって」の誕生秘話やその後のご活躍について、アナウンサーからインタビューを受けておられました。そして、ビートルズ「Imagine」の自由訳を発表されたあと、ジョン・レノンの連れ合いであるオノ・ヨウコさんをアメリカのご自宅まで訪れたそうです。あいさつ程度で帰るはずが、オノ・ヨウコさんと馬が合ったようで2時間以上にわたる音楽談義は、忘れられない思い出になったと、お話をされていました。
ビートルズ「Imagine」
Imagine there’s no heaven
It’s easy if you try
No hell below us
Above us, only sky
Imagine all the people living for today
Ah
想像してみて、天国など無いと。
その気になれば簡単さ
大地の下に地獄など無く
頭の上にあるのは、空だけ。
想像してごらんよ、みんなが今日を生きている
ビートルズ「Imagine」は、中学生の英語の授業で暗唱し、みんなで合唱した思い出があります。
皆さんは、いかがですか?
その番組では、引き続いて新井満さんが「イマジン」自由訳の一部を朗読されていました。ここに紹介します。あの日、睡蓮の根っこを掘りながら、ウインドブレーカーにびっしりついた汗と感動の涙がしたたり落ちたことを思い出しました。ぜひ皆さまも、ビートルズ「Imagine」や新井満「イマジン・自由訳」をご覧ください。
さらに、「ロシアとウクライナの戦争」下にある今、浄土真宗僧侶である私は、これまで長年伝えられてきた「西方極楽浄土」の意味を改めて問わずにおられなくなりました。
新井満「イマジン」自由訳の一部
ぼくの人生の主人公は 誰でもないぼく自身なんだから
誰からも誘惑されないし 誰からも脅迫されもしない
大切なことは ぼくがぼく自身の心と頭で判断し 決断すること
そして今を どう生きるかってこと
だから イマジン ぼくはイメージすることにしたんだ
勇気をだして 愛の力でね そんな天国もそんな地獄も ありはしないんだって
そうしたら 心が自由になって あたらしい世界が見え始めたんだ
最初はむずかしそうだったけど やってみたら 意外にかんたんなんだよ
イマジン さあ イメージしてごらん 心の中で想い描いてみてごらん 空を
ただ空だけが ぼくらの頭上に広がっている風景を
どこまでも青く どこまでも美しく どこまでも晴れあがった あの大きな空の下に
ぼくらの世界は ある
そして すべての人々は
過去でもなく 未来でもなく かけがえのない今日という日を
けなげに いっしょうけんめいに 生きているんだ