肥料が消えた! 境内で起こった不思議 

2022年5月4日

地区役員のTさんがおいでになりました。Tさんは、普段から気さくにお話をしてくださったり、「トーク&ライブ一期一会」などのお寺の行事にもよく足を運んでくださる方です。今年は、門信徒会の地区役員を引き受けてくださいました。この日は、地域の方から集めた会費を届けてくださいました。

大切な会費を預かった私は、Tさんとの世間話に花が咲きました。帰り際に境内の松をご覧になったTさんは、「肥料をあげよう」と言って軽トラに積んであった肥料を取りに行ってくださいました。
境内に3本ある松のうち、10数年前に住職継職記念として植樹した松が特に弱っているのに気づいてくださったのです。Tさんは、地域の職業訓練所の園芸コースに10年以上も通われ、現在では庭木の剪定を何件も引き受けるほどの熟練になられたそうです。だから、源光寺の松を見てすぐアドバイスをくださったのでした。
松にふさわしい肥料があることを初めて知った私でした。その肥料は油かすくらいの大きさで、一見ビスケットのような形状でした。3本の松の根元に、それぞれ10個以上もおいてくださいました。
私「有り難うございます。あの、お代のほうは?」
Tさん「しゃあないよ。(肥料は)このままよりは、土に埋めたほうがいいですね」
と、おっしゃって無償で肥料を分けてくださったのです。
ただ、その後に予定が入っていましたから肥料を埋める時間がありませんでした。

次の日、不思議なことが起こりました。昨日の肥料を埋めようと境内を見ますと、あれだけたくさんあった肥料がすべてなくなっているではありませんか?
家族に聞いても、「何もさわっていないよ」というし、ボランティアで源光寺の掃除に来てくださる方にお尋ねしても、「そのようなものは見ていませんね」とおっしゃいます。他の人が境内に入って持って帰ったことも考えにくいし、あたりを探してもそのかけらすら見えません。なんとも不思議な現象です。

せっかくくださったTさんには、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
明日にでもホームセンターに行って、同じような肥料があるか尋ねてみようと思います。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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