ご門徒さんのお葬儀を 久しぶりに父と勤める

2022年5月26日

浄土真宗のお通夜・お葬儀には「3つの遇う」意義がある、と私は紹介してきました。それは、次の通りです。
一.故人に遇う
二.自身のいのちに遇う
三.仏法に遇う
ですから、故人に縁ある方々は、日常の都合を差し繰ってはせ参じ、みんなで故人を偲ぶことを大切にしてきました。さらに、僧侶である私たちは、臨終勤行(俗に言う枕経)から、お通夜・お葬儀・火屋勤行・還骨・初七日・七日参り・満中陰・月参りなど様々な仏事をご一緒しながら、ご遺族の今後の仏縁につながるようにと勤めてきました。

ところが、新型コロナ以降、感染対策の観点から家族だけでお葬儀をお勤めなさることが多くなってきました。特に、県外の親戚縁者は、お通夜・お葬儀へのお参りが難しくなっています。
確かに、お通夜・お葬儀は事前に予定が立たないこともあり、致し方ない部分もありますね。ところが、家族だけでお通夜・お葬儀を勤めることに慣れてしまうと、その後の満中陰やご法事も家族だけで勤める傾向が見られるようになりました。(七日参りや月参りを希望されない方も増えてきました)

住職の私としては、とても残念でなりません。お通夜・お葬儀・ご法事に参れないということは、「3つの遇う」を体験できないということです。それは、自分自身が生まれてきたこと、生きていることの尊さや有り難さを実感する機会も減ってしまうことに他ならないからです。
では、このような現状でも一人でも多くの方がお通夜・お葬儀・ご法事にお参りいただけるようになるためには、どのような工夫が必要だろうかと思案しているこの頃です。

家族だけのお葬儀の場合は、当家の意向もあり、住職である私一人でお勤めすることがほとんどですが、この日はご親族も集まってお勤めなさるとのことで、久しぶりに父と勤めることが出来ました。
父も高齢になってきましたので(あと何回、一緒にお勤めできるだろうか?)と頭をよぎりました。改まって撮った写真は1枚もないので、元気なうちにと写真に収めてみました。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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