地元の方のお参りのご依頼を受けました。
お葬式の際は、師匠寺であるお寺さまがお参りなさいますが、月参りなど普段の仏縁は、地元のお寺が受け持つ(=化教といわれている)風習が残っている地域です。
それは、初月忌というご縁でした。
新年を迎えることが出来た喜びと共に、ご本尊にお礼を申しあげるお参りと聞いています。
例年は、一月中にお参りをさせていただいておりましたが、この度は、昨年末にお父さまがご往生(=浄土に往き生まれる)されたこともあり、2月に入ってからのご依頼となりました。
遺された奥さまと2人でお参りをさせていただくつもりでしたが、なんと娘さんもご一緒くださいました。
私「初めてお目にかかります。この度は、お寂しいことでございました」
娘さん「その節は、色々お世話になりました。父の葬儀後の様々な手続きのため、しばらくこちらにいるのです」
とのことでした。そして、
娘さん「今まではあまり意識していなかったので、お仏壇の飾り方がよくわかりません。一応、家にあった本を見ながら準備してみました。いかがでしょうか?」
私「そうだったんですね。こうして娘さんと新たなご縁がつながって、うれしいです。ところで、どんな本を参考にされましたか?」
娘さんが奥の部屋から持ってきてくださったのが、こちらの本でした。
私「まあ、懐かしい!!この本は、もう30年以上前に広島県北のお坊さんたちが集まって(=白鵠会)作った本なんですよ。私も、三次に来てから、その会に入らせていただいていました。今では、このようなお作法の本はたくさん出版されていますが、あの当時は、本願寺よりも先駆けて出版され、ベストセラーになったと聞いています」
娘さん「ただ、お鈴の位置が気になって、今日は下ろしてみました」
私「あ、そうですね。ココは経机といって、本来はお経の本のみを置くことになる(お線香やマッチ類も置かない)ので、この図は少し誤解を生みますね。でも、この本を大切においていてくださったおかげで、いろんなことを次の世代の方々が受け取ってくださるのですね。本当に有り難うございます」