「現地を忘れないで!!」お寺の子ども会で防災教室

2024年2月2日


石川県を中心とする能登地震が発生して、早くも1ヶ月が経ってしまいました。
200名以上の方が亡くなられ、まだ行方不明の方の捜索も続けられています。多くの家屋や公共インフラが被害を受けているため、未だに避難所などでの厳しい生活を強いられている方々が多数いらっしゃいます。現地からは「忘れないで!!」という声が聞かれます。この度は、現地にボランティアに行くことが出来ないため、悲しい気持ちやもどかしい気持ちを抱えながら、毎日の報道を見ています。現地から離れている私たちには、何が出来るでしょうか?この度の地震を「こわい!!」という不安だけで終わらせるのではなく、「その中でも何が出来るか?」と考え、一つでも前向きな行動につながるような関わりを模索してきました。その一つが、先月のお寺の子ども会で開催した「子どもが学ぶ防災教室」でした。

先生役としてお招きしたのは、隣市の消防署へお勤めの現役消防士・安長さんです。地元で何かとお世話になっているお宅の息子さんでもあり、その3人の子どもさんはお寺の子ども会の卒業生なのです。当日は勤務明けに駆けつけてくださり、子どもたちに様々な実技を指導してくださいました。その一部を紹介すると、「お寺にいる今、地震が発生したらどうしたらいいでしょうか?」という問いかけに始まり、けが人を一人で運び出す方法、毛布を使って複数で運び出す方法、備蓄米であるアルファ米や長期保存可能なお菓子の試食などを体験しました。様々な場面での人命救助に関わってこられた現役消防士さんですから、そのお話はとても実践的で、私にとっても学びの多い時間でした。

数日前から本堂の電気の調子が悪く、当日は全く電気がつかなくなりました。薄暗い中での子ども会でしたから、「子どもたちが怖がるだろうか」と心配していましたが、「ワクワクしている」という感想が多く、びっくりすると共に子どもの柔軟な姿に助けられました。そして、子どもたちもこの度の地震に心痛めているようで、安長さんのお話に真剣に耳を傾け実技にも熱心に取り組んでいた姿が印象に残りました。

「今は、家族や大人の人たちにたくさんお世話になっているけれど、大きくなったら大切な人たちを助けられる人になってくださいね」とお話しして「子どもが学ぶ防災教室」を締めくくりました。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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