メガネになれるのが一苦労 あたりまえの有り難さ

2024年2月23日

もう数年前からでしょうか?本を読んだり、手元の書類に書き込んだりする時、文字がぼやけて見えにくくなっていました。このまま見えにくくなっていくのだろうかと物悲しく思っていた時、ふと、メガネを少しあげて裸眼で見てみた。するとどうでしょう。メガネをしていた時より、よく見えるではありませんか?喜びを感じると同時に、その自分の姿は、かつて見てきたおじさんたちの姿と同じであることに気がついたのです。
「そうか!自分もあのおじさんたちと同じような年になったのだ!」

気分的には30代のつもりでいますが、実年齢は52歳。つまり、加齢に伴って私も老眼になっていたということです。その後は、メガネをあげたり下ろしたりしてなんとかやり過ごしてきましたが、もう少し見えやすくならないかと考えて、かかりつけの眼科を受診することにしました。丁寧な検査と診察の結果、処方箋を渡されました。そして、なじみのメガネ屋さんで、フレームとレンズを選び、数日後には待望の遠近両用のメガネが出来上がってきました。

昔とは違い境目が全くないレンズなので、技術の進歩に驚くと同時に、これで不自由なく見えるようになると喜びましたが、実際はそう簡単ではありませんでした。これまでの癖で、本を読んだりスマホを見たりする時、10センチほどしか離れていないのです。しかし、新しいレンズでは、30cmほど離した時に一番ピントが合うように設計されているのです。ですから、本やスマホの距離を毎回自分で調整しないといけないのです。一日に何度となくこの作業を繰り返すわけですから、時にはイラッとするわけです。せっかく作ったけれど、前のメガネに戻そうかとも思ってしまいます。

新しいメガネの煩わしさを通して、元々目が持っていた機能の複雑さと素晴らしさを実感しているこの頃です。昔の方は、「一眼二足」という言葉で、身体の中で一番大事なものが目で、2番目が足だと教えてくださっていました。特に現代は、小さな頃からスマホやパソコンを見るようになっていますから、くれぐれも気をつけてくださいね。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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